IFRプレスリリース

自動化競争:ロボット導入が進む世界上位10か国

掲載日:2021年2月22日

【2021年1月27日】 2019年の世界の製造業におけるロボット密度(従業員1万人当たりのロボット稼働台数)は平均113台となり、過去最高を記録した。地域別にみると、西欧(225台)及び北欧諸国(204台)で最も自動化生産が進んでおり、北米(153台)、東南アジア(119台)が続いている。

世界で最も自動化が進んでいる上位10か国は、上から順に、シンガポール、韓国、日本、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、香港、台湾、米国、ベルギー/ルクセンブルクである。これは、国際ロボット連盟(IFR)が発行した最新の世界ロボット統計によるものである。


IFRのミルトン・ゲリー会長は次のように説明している。

「ロボット密度とは、従業員数に対する産業用ロボットの稼働台数を表す。これを用いることで、変化が続く自動化競争において、経済規模が異なる国同士を経時的に比較することができるようになる。」


2019年のロボット密度が世界第1位であったのは、前年に引き続きシンガポールであり、918台であった。シンガポールにおける産業用ロボットの最大の導入先は、半導体やコンピュータ周辺機器を中心とするエレクトロニクス産業であり、同国における稼働台数全体の75%を占めている。

第2位は、868台の韓国である。韓国は、サムスン電子やLGといったトップ企業を擁し、液晶ディスプレイやメモリチップ製造において市場を牽引するとともに、自動車や電気自動車用バッテリ製造の主要な製造拠点でもある。

第3位は364台の日本、第4位は346台のドイツであった。日本は世界屈指のロボット生産国であり、ロボットを組み立てるロボットまで存在する。世界全体で生産されたロボットの47%が、日本で生産されたものである。日本で稼働中の産業用ロボットのうち、34%を電気・電子産業、32%を自動車産業、13%を金属・機械産業が占めている。ドイツは欧州最大のロボット市場であり、欧州の産業用ロボットの38%が同国の工場で稼働している。ドイツの自動車産業におけるロボット密度は世界最高の水準にある。同業界の雇用者数は上昇中であり、2010年は72万人であったが、2019年には約85万人に増加している。

スウェーデンは274台で、前年に続いて第5位に位置している。同国で稼働中のロボットのうち、金属産業及び自動車産業がそれぞれ35%を占めている。

米国のロボット密度は228台に増加した。同国の自動車市場は、前年に引き続き中国に次いで世界第2位となった。また、自動車生産量も世界第2位の規模であった。米国と中国はともに、世界の自動車メーカにとって極めて競争の激しい市場であるといえる。

中国のロボット密度は大きく上昇し続けている。現在、製造業における中国のロボット密度は世界第15位であるが、同国は自動車製造に加え、電子機器、バッテリ、半導体、マイクロチップの主要製造国でもある。

自動化競争:ロボット導入が進む世界上位10か国

国際ロボット連盟(IFR)が配信するプレスリリース(英文)の日本語参考訳を掲載しています。
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