PRTR(環境汚染物質排出移動登録)

PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:環境汚染物質排出移動登録)とは、有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組みです。

対象としてリストアップされた化学物質を製造したり使用したりしている事業者は、環境中に排出した量と、廃棄物として処理するために事業所の外へ移動させた量とを自ら把握し、行政機関に年に1回届け出ます。

行政機関は、そのデータを整理し集計し、また、家庭や農地、自動車などから排出されている対象化学物質の量を推計して、2つのデータを併せて公表します。

PRTRによって、毎年どんな化学物質が、どの発生源から、どれだけ排出されているかを知ることができるようになります。

諸外国でも導入が進んでおり、日本では1999(平成11)年、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(PRTR法)により制度化されました。

対象となる事業者の要件

対象化学物質の排出量・移動量を届け出なければならない事業者(第一種指定化学物質等取扱事業者)は、次の表の(1)と(2-1)を満たす事業者、または(1)と(2-2)を満たす事業者です。

届出対象事業者の判定時のチェック項目

(1)事業者の業種、常時使用する従業員の数

1)業種 政令第3条に示す業種
2)常時使用する従業員の数 21人以上

(2-1)事業所ごとの対象物質の年間取扱量

対象物質の種類*1) 特定第一種 第一種
3)使用する原材料、資材等の形状 「年間取扱量を把握する際に対象とする製品」に示す形状
4)使用する原材料、資材等に含まれる対象物質の含有率 0.1質量%以上 1質量%以上
5)対象物質の年間取扱量 0.5トン/年以上 1トン/年以上
*1)
「第一種」:第一種指定化学物質のこと
「特定第一種」:特定第一種指定化学物質のこと

(2-2)事業所ごとの特別要件施設

6)特別要件の施設 「特別要件施設」に示す施設を有する

PRTRについてのわかりやすい解説は、以下のwebサイトをご覧下さい。

PRTR排出量等算出マニュアル

本マニュアルは、事業者の方々が化学物質の環境中への排出量等を把握する際の参考として用いていただくことを目的としています。