サービスロボット及び医療ロボットの安全性等に関する国際標準化に関する調査研究成果報告書

概要

本年度実施した調査研究の概要は次のとおりである。

①サービスロボットの安全性の国際標準化

サービスロボットの安全性については、日本が提案している安全性に関する試験方法が次の作業アイテムとして採択される様、具体的審議の行われるISO/TC184/SC2/WG7ブリストル会議(6月)及び北京会議(10月)へエキスパートを派遣して、日本提案の説明、主張及び審議状況の調査等を行った。また、FDIS13482投票の際には、その内容を国内WGで検討し、日本コメントをとりまとめた。更に、新たな作業アイテム決定後に開催されるWG7サンセバスチャン会議(2月)へエキスパートを派遣して、審議状況の調査及び日本としての意見等の主張を行った。

②医療ロボットの安全性の国際標準化

医療ロボットの安全性については、規格策定を行っているJWG9の状況について国内WGで検討した上で、10月の北京会議及び2月のサンセバスチャン会議へエキスパートを派遣し、各国の考え方や提案内容等を調査把握すると共に、日本の提案・意見等の主張を行った。

③その他のロボットに関する国際標準化

  • サービスロボットの安全性と密接に関係する、産業用ロボットの協働運転に関する安全性については、TS15066原案について検討を行っているので、国内WGで検討した上、WG3国際会議(北京及びオーランドで開催)へエキスパートを派遣し、これまでに提出している日本コメントが採択される様、コメントの説明、主張等を行った。また、DTS15066投票の際に付す日本コメントのとりまとめを行った。
  • サービスロボットの安全性と密接に関係する性能項目及びモジュラリティについての国際標準提案についてはWG8で検討を行っているので、性能項目に関する原案(WD18646-1)等について国内WGで検討を行い、CD投票の際の日本コメントのとりまとめを行うと共に、国際会議(ブリストル、北京、サンセバスチャン)にエキスパートを派遣し、各国の考え方や提案内容等を調査把握及び日本の提案・意見等の主張を行った。また、IEC/SMBにおいて中国が新たに移動ロボットのパフォーマンス等を検討するTC設立を画策しており、ISO/TC184/SC2として対抗措置を検討しているため、その活動についても日本として積極的に支援を行った。具体的には、中国の提案を審議するIECのアドホック47会議(上海)にエキスパートを派遣して、韓国等と協力してISO/TC184/SC2としての意見の主張を行うと共に、日本としての意見の主張を行った。
  • サービスロボットの安全性と密接に関係する移動ロボットの用語についての国際標準提案についてはWG1で検討を行っているので、現在の原案について国内WGで検討を行い、これまで作成してきたJISの内容等を反映できる様な日本提案を作成すると共に、NWIP投票の際の日本コメントのとりまとめを行った。また、国際会議(ブリストル、北京、サンセバスチャン)にエキスパートを派遣し、各国の考え方や提案内容等を調査把握すると共に、日本の提案・意見等の主張を行った。