平成21年4月
総合科学技術会議科学技術連携施策群
次世代ロボット連携群



次世代ロボット共通プラットフォーム技術について


 「平成17年度科学技術関係予算の改革について」(平成16年7月23日総合科学技術会議決定)に基づき、各府省の縦割りの施策に横串を通す観点から、科学技術連携施策群(以下「連携施策群」という。)について、総合科学技術会議のイニシアティブの下にコーディネーター等を配置し不必要な重複の排除、連携の強化等の各施策間の調整を推進します。その上で補完的に実施すべき研究開発課題について、内容・達成目標等を具体的に設定して研究開発を推進することになりました。
 科学技術連携施策群次世代ロボット連携群では、上を受けて各府省、研究機関などで共通で使えるロボット基盤・インフラ技術として共通プラットフォーム技術の研究開発に着手しました。
 とくに「環境情報の構造化」として、屋内、屋外など環境内での、ロボットや人、物体の位置計測技術、機器間の通信技術、ロボットサービスAPIが研究開発されるとともに、プラットフォーム環境が、福岡、関西けいはんな、神奈川に2008年度、2009年度に順次公開されます。
 各研究機関や研究開発者が、このような技術や環境を利用していくことで、ロボット開発の効率向上、国際競争力の強化が図れると考えていますので、関係各位におかれましては、ご活用の程、宜しくお願い致します。

以下の4課題について概要を紹介します。
(1)「分散コンポーネント型ロボットシミュレータ」((独)産業技術総合研究所)についてはこちら
(2)ロボットタウンの実証的研究(九州大学)については
こちら
(3)施設内外の人計測と環境情報構造化の研究((株)国際電気通信基礎技術研究所)については
こちら
(4)環境と作業構造のユニバーサルデザイン((独)産業技術総合研究所)についてはこちら

また、平成21年2月に開催された平成20年度シンポジウム「次世代ロボット共通プラットフォーム技術の確立」の資料はこちらにあります。

なお、次世代ロボット連携群は終了しましたが、開発された次世代ロボット共通プラットフォーム技術の普及活動などのフォローアップは継続して行きます。

以 上






次世代ロボット共通プラットフォームの概要紹介
科学技術連携施策群次世代ロボット連携群




1.次世代ロボット共通プラットフォーム技術について
 次世代ロボット連携群では、ロボット研究者・技術者がロボットの研究開発に際し共通に使える技術を、「共通プラットフォーム技術」と定義し、取り組むべき急務の課題とした。ロボット研究者・技術者が以下に公開される共通プラットフォーム技術(3つの実験環境とシミュレータ)を利用することで、次世代ロボットの研究開発が効率化されることが期待される。

2. 共通プラットフォーム技術の研究開発
 科学技術振興調整費「科学技術連携施策群の効果的・効率的な推進」によって、研究開発が進められている4つのプラットフォームを紹介する。


(1)「分散コンポーネント型ロボットシミュレータ」(産業技術総合研究所、平成17〜19年度)
 ロボットソフトウェアの蓄積を推進するために、分散オブジェクト技術をベースとするロボットシミュレータを開発する。RTミドルウェアを利用してロボットのセンサ・アクチュエータ・コントローラ等を分散コンポーネント化すれば、それらのコンポーネントを利用して、ロボットの動力学・経路計画・作業計画等のシミュレーションを行うことができ、更に、シミュレーションで検証したロボットプログラムをそのまま実機で動かすことが可能となる。プロジェクト終了後の平成20年度より、一般公開されています。図1にシミュレータのグラフィック・ユーザー・インタフェイス(GUI)と作業シミュレーションの様子を示す。

⇒ シミュレータOpenHRP3のサイトはこちらです。




図1 ロボットワールドシミュレータのGUIと作業シミュレーションの例



(2)「ロボットタウンの実証的研究」(九州大学、平成17〜19年度)
 ロボットタウン(福岡環境プラットフォーム)では、分散配置されたビジョンカメラにより移動体の位置姿勢や運動方向を計測し、屋外通路や建物内部の床面等に埋め込まれたRFIDにより環境の情報構造化を図り、環境情報を統合・管理するタウンマネージメントシステムが、ロボットに必要な情報を供給し、物品の運搬等の様々なロボットサービスを実現する。
 ロボットタウンは福岡アイランドシティに構築されており、プロジェクト終了後の平成20年度より、一般公開されている。表1に仕様をまとめる。




図2 ロボットタウンの概念図




図3 平成20年1月に行われた公開実証実験の様子



(3)「施設内外の人計測と環境情報構造化の研究」(ATR、平成18〜20年度)
 環境センサやロボット自身のセンサで室内外の人々の位置情報を取得、統合し、人の行動と場所に応じて、人の行動に意味づけを行い、ロボットが人にサービスを提供する枠組みを構築する。異種ネットワーク環境からなる展示施設、駅等に対して、ロボットが人に円滑なサービスを提供できることを実証する。図4に本研究で構築される共通プラットフォーム技術の情報処理4階層モデルを示す。環境プラットフォームはNICT 知識創成コミュニケーション研究センター(けいはんな)とユニバーサルシティウォーク大阪(図5参照)に構築され、平成20年度中より一般公開されている。表1に仕様をまとめる。

⇒ 関西環境プラットフォームサイトはこちらです。




図4 環境情報4階層モデル          図5 実証実験の様子



(4)「環境と作業構造のユニバーサルデザイン」(産業技術総合研究所、平成18〜20年度)
 ロボット活用の範囲を拡大するためにし、環境と作業の構造化を図ることによって、家庭などのロボットにとって整備されていない環境での作業を可能にする共通プラットフォーム技術を確立する。図6にロボット作業を容易にするためのユニバーサルハンドルとユニバーサル密閉容器を示す。神奈川ロボットパークに構築予定の環境プラットフォームは平成21年度より一般公開されている。
表1に各環境プラットフォームの仕様をまとめる。




図6 ユニバーサルハンドルとユニバーサル密閉容器





表1 環境プラットフォームの概略仕様

 環境プラットフォーム ロボットタウンプラットフォーム 人計測環境プラットフォーム 作業用環境プラットフォーム
(九州大学) (ATR) (産総研)
 位置計測精度 他プラットフォームと同程度 50mm 50mm
5mm(作業用)
 センサ群 RFID RFID RFID
 (追加可) 分散カメラ 分散カメラ 分散カメラ
LRF LRF 室内GPS(Psudlite)
GPS GPS LRF
ビジュアル・サーボ用マーカー
 ミドルウェア RT-middleware CrossML RT-middleware
 提供される情報、機能 位置情報(ロボット、物体) 位置情報(ロボット、人) 位置情報(ロボット、物体)
 (API追加可) ID情報(ロボット、物体) ID情報(ロボット、人) API(RT-componentsを含む。)
API API
 デモンストレーション 車椅子ロボットによる荷物運び、 人へ近づいて、場所やお店の説明 食器片付け、本の片付け、弁当を
自動運転、双椀ロボットによる 冷蔵庫より取り出し、レンジで
服の受け渡し 暖める、他
 場所 福岡アイランドシティ NICTロビー 神奈川ロボットパーク
ユニバーサルシティウォーク
(ユニバーサルスタジオ前)



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